フジミの特SPOT-74重巡洋艦「愛宕」を純正エッチングパーツを使用して製作しました。高雄型は艦橋と煙突周辺の構造物の調整が難しく、純正エッチングパーツを使用する場合、説明書通りに作っていくと不具合が出る箇所がありましたので、そのあたりも含めて製作記のほうにまとめてあります。
製作概要
今回の製作キットは、フジミ模型 1/700 特シリーズSPOT No.74 日本海軍 重巡洋艦 愛宕 昭和19年 DXになります。
製作概要は、付属の純正エッチングパーツを主体にディテールアップを行い、高角砲、単装基準、連装機銃、三連装機銃、110cm探照灯、9mカッターボートをファインモールドのナノドレッド製品に換装してあります。また、0.3mm真鍮線、0.2mmピアノ線を使用し、旗竿、マストの先端部を自作してあります。
塗装につきましては、軍艦色、リノリウム色の基本色はエアブラシにより行い、細かい部品はエナメル塗料を使用した筆塗りで塗り分けてあります。基本塗装後は、ウェザリングカラーにより雨だれ、錆だれを表現してあります。最後に、艶消しコートで全体の艶を統一してあります。
空中線には、メタルリギングの0.06号を使用し、箱絵等を参考に張ってあります。
ケースは、ダイソーのクリアケースを使用し、ネジにて固定してあります。
以上が、今回の愛宕の製作概要となります。
高雄型の重巡洋艦は艦橋と煙突周辺の構造物の調整が難しく、案の定、純正のエッチングパーツを使用する場合、説明書通りに作っていくと付かない部品がありましたので、そのあたりも含めて製作記のほうにまとめてありますので愛宕の製作を考えている方の参考になればと思います。また、高雄につきましては製作No.13で詳しく解説してありますのでそちらをご覧ください。
製作工程
舷窓をピンバイスで削穴しました。ドリルの径は0.5mmを使用しました。
単装機銃をナノドレッドに置き換える場合、純正部品のピン穴が大きすぎるのでパテで埋めてあります。エッチングのラッタルが付く箇所もパテ埋めしてあります。私が使用しているパテは、マジックスカルプです。YouTubeでよく視聴しているとある海外モデラーさんがこのパテを使ってつまようじ1本で面白いように砲身のキャンパスやパーツの造形、穴埋めをしておりずっと何のパテを使っているのか気になっていたのですが、その方の古い動画に字幕でパテの紹介するシーンがあり、そのときにマジックスカルプの存在を知ることが出来ました。
仮組中です。
仮組しながら、エッチングパーツを接着していきます。
ある程度仮組が終わりましたら、リノリウム部をマスキングして船体の塗り分けを終わらせておきます。
主砲のエッチングパーツは、パーツとの間に隙間ができないよう確実に密着するように接着します。隙間があると第1と第3主砲が第2の台座と干渉します。また、完全に密着させようとするとプラパーツと微妙に形状が合わないので、プラパーツを削って調整するとよいです。とくに後ろ側はけっこう削る必要がありました。
飛行甲板のエッチングパーツです。ここで注意が必要なのがカタパルトの台座のC30とC31の部品です。エッチングの厚みが干渉してこのままでは斜めにしか付きません。垂直・水平に付くように削って調整する必要があります。
後部マストも0.2mmと0.3mmの真鍮線で作り変えました。
さぁ、いよいよ来ましたよ。純正エッチングパーツを使って愛宕を製作する上での一番の難所。説明書では最後の最後の工程12番にて簡単に、L1のパーツを「広げて入れます。」っと書かれていますが、もちろん煙突のジャッキステー等が干渉してまったく入りません。
そこで、今回私がとった作戦はL1パーツの前後分割です。分割方法については、モデラーズナイフで分割ラインをやさしく半分くらいの深さになるまで何回かなぞれば、ポキッと折れます。ただし、前後分割だけではまだ不十分で煙突のジャッキステーと干渉する箇所を調整しながら削って広げました。
あと赤丸の箇所に注目して下さい。この部分にも手前側と同じエッチングの支柱がつくのですが、長さが足りません。プラパーツでは長さが違うのですがエッチングは同じ長さになっています。そこで、長さを合わせるためにプラパーツを接着して、面一になるように削ってあります。これで支柱のエッチングの足がきれいに揃います。
組み立て順序は手前から、第一煙突、艦橋、分割したL1の前側、第二煙突、後方機銃台、分割したL1の後ろ側です。なんとか煙突周辺をきれいに収めることができました。
今回も機銃関係はすべてファインモールドに置き換えてあります。
110cm探照灯のパーツのレンズのマスキングは、タミヤの1.5mmのモデラーズポンチがジャストサイズです。1.5mm×700=105cm。だいたいスケールは合ってます。その他のサイズは、真鍮パイプの縁を削ったものを使用しています。
艦載機のデカールは、マークソフターで密着させてあります。
細かいパーツを筆塗りで塗り分けていきます。
組み立て完了です。
Mr.ウェザリングカラーで雨だれ、錆だれを表現していきます。作業完了後、艶消しクリアで全体の艶を整えておきます。とくに筆塗りしたところは質感が変わっているので艶消しクリアは必要です。
メタルリギングの0.06号を使用し、空中線を張りました。
保護ケースに固定して完成です。この段階のうっかりミスが一番怖いので、裏からネジを締める作業が一番緊張します。
完成写真
最後までご覧頂きありがとうございました。
コメント