フジミの特-29 戦艦「長門」を純正エッチングパーツを使って製作しました。この長門は、これまでの私の作品の中でも最高傑作作品です。私の持てる技術のすべてを注ぎ込んで製作しました。ぜひ私の本気の長門をご覧ください。
艦船模型スペシャルNo.73の1/350戦艦長門の作例の素晴らしい仕上がりに感動を覚え、ぜひ私もこのような長門を作ってみたいと思い、今回の製作に至りました。
今回の製作では、少しでも作例に近づけることを目標としており、純正エッチングパーツを主体としながらも、可能な限りのオプションパーツを使用し製作してあります。
艦橋
純正エッチングを使用したほか、一部補強桁のエッチングパーツ、窓枠パーツを追加しました。他にも余剰パーツを利用して、手すりやアンテナ等も追加しました。
窓枠のエッチングパーツについては、なるべく隙間ができないようパテ等で隙間を調整しました。
純正エッチングパーツには、この箇所の窓枠エッチングパーツが省略されていたので、海魂の艦艇用窓枠セットAを使用しました。
足掛索を再現するため海魂の艦船用横桁を使用しました。
補強桁は、プラのモールドを削り取り、フライホークのエッチングパーツを使用しました。
はじめにリノリウム甲板を塗装後、マスキングして軍艦色を塗り分けました。
組み立て後、Mr.ウェザリングカラーのブラックでウォッシングを行いました。
信号旗索はインフィニモデルのウルトラファインリギングホワイト直径0.048mmを使用しました。
後部艦橋
純正エッチングを使用したほか、一部補強桁のエッチングパーツを追加しました。支柱はエバグリーンのロッド0.5mmに置き換えました。
マスト
0.5mmの真鍮線に置き換え、海魂の横桁エッチングパーツを使用しました。純正エッチングに付属している予備のラッタルパーツ等を追加しました。
インフィニモデルのウルトラファインリギング0.048mmで張線を行いました。
煙突周辺
純正エッチングパーツを使用したほか、支柱パーツをエバグリーンのロッド0.5mmに置き換えました。
緊急用木材をプラ棒で再現しました。
探照灯台の手すりは、ラッカー塗料の塗膜を張って、防風布を再現しました。
木甲板
指定色はタンとなっていますが、私の好みでセールを使用しました。セールを単色塗装したのち、タミヤのスミイレブラウンを塗ることによって、純正の木甲板シートに近い色合いに仕上がります。最後に、Mr.ウェザリングカラ―のブラックをドライブラシの要領で甲板に擦りつけ、色合い落ち着かせました。
甲板をマスキングして軍艦色を塗装しました。
アンカーチェーンを社外品に置き換えました。
船体
舷窓は0.5mmのピンバイスで削孔しました。
鉄板の継ぎ目をサーフェイサーの厚塗りで再現しました。
艦底色を塗装し、マスキングしました。
Mr.ウェザリングカラーのブラックで全体をウォッシングしました。
Mr.ウェザリングカラーのステインブラウンで錆びを表現しました。
飛行甲板
既存の軌条とエッチング押えのモールドを削り取って、海魂のリノリウム押えを使用しました。
海魂の飛行甲板レール&ターンテーブルを使用しました。
主砲
純正エッチングパーツを使用しました。エッチングパーツを取り付ける際、一部クリアランスの調整が必要な箇所があったので、ラッタルパーツを折り曲げることによって調整しました。
このような特殊な加工は、普通のエッチングベンダーでは難しいので専用の工具を使用しました。
防水布は、筆塗りで塗り分けました。色味を落ち着かせるためにMr.ウェザリングカラ―のサンディウォッシュを使用しました。
組立完了後、Mr.ウェザリングカラ―のブラックで、ウォッシングを行いました。
高角砲
ナノドレッドの高角砲を使用しました。
連装機銃
ナノドレッドの連装機銃を使用しました。
探照灯
ナノドレッドの探照灯セットを使用しました。クリアパーツの素材を活かすためレンズ部分をマスキングし下地色にシルバーを塗装、その上に軍艦色を重ねました。下地にシルバーを塗ることによってレンズ部分がよく光を反射します。
110cm探照灯のマスキングには、1.5mmポンチが使えます。1.5mm×700=1050mm
水上偵察機
レインボーのエッチングパーツを使用しました。濃緑色をエアブラシで塗装したのち、機体下部と迷彩色をエナメル塗料で筆塗りしました。デカールはマークソフター(軟化剤)を使い、曲面の機体に密着させました。
艦載艇
12m内火ランチはファイブスターのエッチングパーツを使用しました。
9mカッターはナノドレッドのカッターボートセットを使用しました。
ボートダビット
純正エッチングを使用しましたが、滑車の向きがおかしかったので修正しました。
0.1mm厚のプラペーパーを使用しクライプバンドを再現しました。
ホーサーリール
海魂のエッチングパーツを使用しました。ケーブルはウェーブのスプリングを使用しました。
舷梯
純正エッチングパーツを使用しました。
どうしても長さが合わなかったので、縮める加工をしました。
ステップ部が木材、手すり部が鋼材に見えるように塗り分けました。防風布はラッカー塗料の塗膜を張って再現しました。
係船桁
手持ちのパーツに索梯子があったので流用しました。0.2mmのピアノ線で係船桁を吊るための支柱を再現し、固定用の鋼索はインフィニモデルのウルトラファインリギング直径0.048mmを張ったのち、エナメル塗料の筆塗りで塗装しました。
空中線
インフィニモデルのウルトラファインリギング直径0.048mmを使用しました。
艦橋前方の張り線は、線と線をくの字に接続するという複雑な形状でしたが、長門の特徴的なポイントの1つでしたので、可能な限り再現してみました。
艶消しコート・完成
筆塗り箇所の艶を均すためとはみ出した瞬着のテカリを目立たなくするために艶消しコートを行いました。
ケースにねじ止めして完成です。
完成写真
あとがき
1/350の超絶精密な作例を参考に製作することにより、細かい部分までつめることができ、とても充実した製作となりました。
今作では、新しい手法や材料に挑戦することができ、また一段レベルアップできたなという手ごたえがあります。
今作での一番の収穫は、インフィニモデルのウルトラファインリギングとの出会いです。これまで使ってきたメタルリギングとは勝手がまったく違い、はじめのうちは苦戦しましたが、だんだんと要領がつかめてくると、この材料の素晴らしさに感動を覚えました。ゴムのように伸びる線というのはは、慣れてくればメタルリギングよりはるかに張りやすくなると思います。ただ、線同士を張る場合は、テンションのかけ具合が難しいので、これについては要練習です。これをマスターすることができれば、線同士が複雑に絡み合っていたり、密集していたりする張線もこなせるようになってくると思います。
以上、長門製作記のあとがきでした。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
製作メモ
甲板は後部側のはめ込みがキツイので削って調整する。
アンカー取り付け部を削孔しておく。
内火艇が乗るところの手すりはカットしておく。
I27の下部は、F4をはめ込んでから接着する。
H9の取り付け位置が間違っているので注意する。
EP29とキャンバスのクリアランスを確認する。
探照灯台と煙突のクリアランスは調整しておく。
探照灯台の位置決めは仮組時の甲板パーツの浮きに注意する。
舷梯の長さを調整する。
滑車の向きを調整する。
J20の取り付け位置に注意する。
パーツが肉球に挟まってどこかに紛失しないか注意する。
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