【第11作目】戦艦「陸奥」【1/700・フジミ帝国海軍-11・純正EP】

製作記

フジミの帝国海軍シリーズNo.11戦艦「陸奥」を純正エッチングパーツと木甲板シールを使用して製作しました。木甲板シールの質感は素晴らしいのですが、シールの厚みが支障となり調整が必要な部分もあり作業には苦労しました。

内容を確認していきます。あと、ケースはダイソーのコレクションケースを使用します。

長門といっしょですね。たぶん。

今回の主役、木甲板シールです。木甲板用のエッチングが付いています。

まずはじめは台座への固定工作から始めます。前作のフルハルキットでは、アドラーズネストの艦船模型用金属飾り脚.M Setを使用しましたが、今回はキットの飾り脚を使用していきます。

ホームセンターで買ってきたM4のなべ小ねじです。4mm以上の穴をあけるにはピンバイスでは対応していないので、タミヤのモデリングドリルチャックと一般鋼材用のドリル刃セットを使用します。ドリル刃セットはホームセンターで買ったものです。

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まずは船体を台座の上に仮置きし、位置を調整します。長門型の場合、ダイソーのケースでは長さがギリですので、注意して下さい。位置を調整後、動かないよう固定しながら1mmのピンバスで、船体とケースを重ねて削孔します。その後、1mmのピンバスの当りを4.5mmのドリル刃で穴を開けます。飾り脚も中心に4.5mmの穴を開けます。ボルト固定となりますので、受皿のパーツは使用しません。

船体はとくに合わせ目の処理はしないくせに、飾り脚はパテで合わせ目を修正してみました。後ほど、塗装の段階がまで作業が進んでからゴールドを塗装します。

パーツの精度いい感じです。隙間もなくピタッと合います。ただ、前後のパーティングラインの周りがプラの歪みといいますか、少し段差が出来ます。

木甲板シールの説明書を確認しながら支障となるモールドを削っていきます。こういう作業には、ノミ系の工具が便利です。ただ、このような状態ならモデラーズナイフの刃をほぼ水平に当てることができるので、ナイフで荒削りしてからノミで仕上げるほうが楽です。

甲板パーツを接着し、艦橋を仮組していきます。前作の長門では少し開いてしまった窓枠箇所も問題ないようです。

パーツを切り取る際のワンポイントアドバイスですが、No.28のパーツを見て下さい。錨の下部の太いゲート側からニッパーを入れると、けっこうな確率で折れてしまいます。

そこで、錨の上部の細いゲートから切るようにします。さらに、写真のようにゲートを一部切り離しておけば、下部の太いゲートを切断する際に発生する力の逃げ道ができますのでパーツの破損のリスクを軽減できます。

このような作業には切れ味の良い薄刃ニッパーがおススメです。ニッパーもピンキリですが、タミヤの薄刃ニッパー辺りがコスパ的におススメできます。ちなみに、私の主力ニッパーはアルティメットです。

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今回は、木甲板シールを使用しますので、甲板の塗り分けはリノリウム部だけとなります。これだけでも、かなり作業が楽になりますね。あと、軌条のマスキングは大変ですので筆塗りで対処します。

艦船模型の製作には、細かい筆塗りの技術も必要になってきます。弘法、筆をなんたらということわざがありますが、、下手くそは良い筆を使ったほうが良いです。特に面相筆は筆の性能がけっこう重要になってきます。私のおススメの筆は、ウィンザー&ニュートンのシリーズ7、000号と0号です。

もう、毛先のまとまりが素晴らしい!!!

塗料の含みの差は良く分かりませんが、毛先は素晴らしいです。シリーズ7に変えてからは、細かい筆塗りが本当に楽しいです。

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内火艇、応急舵、副砲のキャンバス等をウィンザー&ニュートンで塗り分けていきます。そして、高角砲に注目して下さい。砲身の先端の中心を黒く塗るだけで、棒が筒になります。

本当は、高角砲や機銃関係はナノドレッドに換装したいのですが、、高角砲に至っては4個で1,000円って・・・ポチろうとしてもひと先指が硬直します。せめて8個入りなら・・・

内火艇類は、まとめてタン色を吹いて、裏返して軍艦色吹いて、ちょいちょいと筆塗りして出来上がりです。細かい筆塗り楽しいです。

前作の長門製作記で言いたかったのが、ここです。今回は左右の煙突は上部1箇所だけ接着してあり、下部は動くようにしてあります。詳しくは前作の長門製作記をご覧ください。

各パーツにエッチングを取り付けていきます。エッチングパーツをきれいに接着するコツは、流し込みの使い方です。エッチングパーツの加工と接着テクニックについては、別記事で詳しくまとめる予定ですのでお楽しみに。

船体の塗装、完了です。やはりフルハルモデルは迫力がありますね!!

マスト、煙突を簡単なマスキングで塗り分けました。

飛行甲板のリノリウム押さえをエッチングパーツで再現しました。

はじめての木甲板シールです。試しに、小さめのシールから貼ってみます。どこかのサイトに木甲板シール貼りには調色スティックが良いと書いてあったので、試してみたらすごく良いです!

広い面を押さえるときは、スティックの背面部でグイグイ押えつけ、構造物の際のシールの浮きを押さえたいときはスティックを立てて際をグイッと押えつけることができます。しかも、周囲が曲線になっているためシールに傷をつけてしまうこともありません。うん、素晴らしいです。調色・木甲板シール用スティックと売りだして良いレベルかと。

タン一色の木甲板とは歴然の差です。あと、シールのカット精度も素晴らしく、何か所か穴を合わせると、ピタっと合いました。

いやー、これは良いものだ!!!っと言いたいところですが、欠点もいくつか見えてきました。

シールの粘着力が弱いので、しばらくするとシールの縁が浮き上がってきます。たまたま私の買ったシールが経年劣化していただけかもしれませんが、木甲板シールを使用する際には、最後に周囲を流し込み瞬間接着剤で固めといたほうがいいかもです。

切り抜きが甘いです。切り抜きの位置はいいのですが、完全に切れていない箇所が多々あります。そのまま貼って、構造物の突起で押し抜けないということはありませんが、面倒でも貼る前にナイフで切り離したほうが切口もきれいになっていいかもです。

そして、一番のネックポイント。シールの厚みがいろいろと面倒です。これについては組立途中でその都度、説明していきます。

この段階で塗装済みのエッチング手すりを接着していきます。

早速ですが、木甲板シールの弊害が発生です。

(1)すでに浮いています。瞬間接着剤で固めました。

(2)アップにするとシールの厚みがきになります。

(3)シールの厚みが支障となって、エッチングパーツ同士が干渉します。

(4)この部分にも艦橋パーツが付くのですが、まったく考慮されていません。このままではシールの厚みの影響を受けますので、木甲板シールを切り抜くか、パーツを削るかの対処が必要です。

艦橋、完成です。レイテ沖の長門は、双眼鏡パーツが付いていましたが、陸奥はそのようなパーツはありませんでした。残念。

この段階で信号旗のロープを張っていきますが、、注目すべきは後ろのフワフワな物体です。気まぐれなチョイチョイですべてが無に帰ってしまう危険な状態での作業が続きます。とにかく、私の前に陣取るのが好きで好きで困っています。ガンプラぐらいなら気になりませんが、さすがに艦船模型は・・・ちなみに、この子には昔、北上と綾波を轟沈という戦歴があります。

順番に甲板構造物を組み上げていきます。写真では確認できませんが、飛行甲板パーツが一部木甲板シールを挟みこんでしまっており、僅かに浮いています。そして、その浮きはそのままマストパーツの傾きにも影響を及ぼしています。

微妙な位置関係ですので、木甲板シールを貼る際にこの点に注意しながら貼れば回避できる問題でしたが、はじめてということで対処できませんでした。次回から木甲板シールを貼る際には、構造物も合わせながら貼ったほうが良さそうです。

艦載機の製作に入ります。濃緑色を吹き付けた艦載機に、筆塗りで迷彩を書き込んでいきます。

あと、翼のパーツをランナーから切り離した際に割れました。このようなことは今回はじめてでしたが、クリアパーツは割れやすいみたいですね。今後、気を付けます。

続いて、デカール貼りです。はじめにマークソフターを貼る箇所にチョン付けし、デカールを乗せます。その後、筆でマークソフターを馴染ませていくと、デカールが軟化していき密着します。

飛行甲板完成です。

艦船模型を製作する上で、すごく助かる資料を1つご紹介します。タミヤの軍艦雑記帳上・下です。艦船模型に慣れてくると、細かいところが気になってきます。例えば、艦載機のカタパルト上の角度とか台車の位置とか、ダビットとボートの位置関係とか、、このような細かな点が繊細なイラストで紹介されており、すごく参考になります。お値段も1冊500円ほどですので、艦船模型をやるなら買っといて損はないです。

タミヤ ニュース別冊 軍艦雑記帳 (下巻) 64150
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左舷、第一、第二主砲、斉射!!!!!! 主砲、固定前の幻の一枚です。

Mr.ウェザリングでスミイレしていきます。今回は木甲板がすごくきれいでしたのでウェザリングは控えにし、モールドにスミを入れる程度にしておきました。サビも無しです。

メタルリギング0.15号で空中線を張っていきます。この写真ではよく確認できませんが、いつもより多めかつ複雑に空中線を張ってみました。完成写真でご覧ください。

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エナメルで調色した軍艦色(2)で、エッチングの塗装剥がれなどを修正していきます。

艶消しコート乾燥中です。艶消しコートで主砲キャンパスの筆塗り箇所や、流し込み瞬間接着剤のはみ出た箇所の艶を統一させます。

飾り脚は、垂れる寸前目指してツヤっツヤっに吹いてあります。

25mmがジャストサイズでした。

完成です!!

陸奥は、長門型2番艦ということで前作の長門の製作経験を活かすことができ、比較的短時間で完成させることができました。

木甲板シールの質感はすごく素晴らしいのですが、やはり厚みが気になります。次回作では、この質感を塗装で再現できないか挑戦してます。

完成写真

最後まで、ご覧頂きありがとうございました。

コメント

  1. 篠原 可亮 より:

    はじめまして。
    私は最近、艦船模型を作り始めたプラモ初心者です。
    数々の戦艦模型を拝見し、ここまで精密かつ正確に作製されていて感動します。
    私には到底マネできないですが、私が一番最初に作製した思い入れの強い「陸奥」のところで、コメントさせていただきました。
    (私の「陸奥」の出来はさんざんですけど。。)
    戦艦模型のすばらしさを、もっと教えていただけると嬉しいです。

    • zbok より:

      コメントありがとうございます!
      艦船模型、楽しいですよね。
      私もあっという間に艦船模型にハマってしまいした。
      お互いさらなる高みを目指して頑張りましょう☆

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