モデラーズのEPベンダーは、カタパルトやクレーンなどの長尺のエッチングパーツや強い保持力と精密な動作を必要とする極小パーツの曲げ加工を得意とするスペシャル工具です。とにかくすごい精度で狙った箇所できっちりと曲げることができます。
今回、ご紹介するのはモデラーズから発売されているEPベンダーという工具で、商品内容は、エッチングベンダー本体とプラスティック製の͡へラが3枚が付属されています。
この商品はS,M.Lの3種類のサイズが販売されておりますが、今回私が購入したサイズはMサイズになります。
1/700スケールの艦船模型であればSサイズでも十分ですが、1/350スケールであればMサイズが良さそうです。私は、将来ハセガワの1/350長門を製作する予定がありますのでMサイズを購入しました。
それでは、簡単に使い方をご紹介します。
①黒いネジを緩めます。黒いネジを緩めるとネジの軸部分にあるバネにより上部パーツが浮き上がってきます。
②手前の台の上にエッチングパーツをセットし、位置を合わせてからネジを締め込んで固定します。
③付属のヘラを差し込み、上方向に押し上げて曲げます。
EPベンダーはとにかく保持力が素晴らしく、厚みがある硬いエッチングパーツも安定して曲げることができます。また、本体の上部側のパーツを回転させツメ型の面を使えば、箱型のパーツも加工しやすいです。
ポイント
- 本体には、黒いネジの軸の他にもう1本短いピンが仕込まれており、この2点により上部パーツの位置がズレないような構造になっていますが、さほど精度は良くありませんので、実際の使い方は、上部パーツを手で仮押さえしてからネジで固定するという使い方になります。上部パーツを回転させる場合は、ズレ止めピンの高さよりも高く緩めることによって回転させることができます。
- 他社の同じような製品で六角レンチで締めるタイプも購入してみましたが、いちいち六角レンチで締めるのはかなり面倒でしたので、黒ネジを回すだけで締めれるEPベンダーはかなり使い勝手が良かったです。
- 艦船模型のように小さく繊細なエッチングパーツの場合、プラスティックのヘラを差し込むのが難しいです。対策としては、ナイフの刃などの鋭利なものを利用するか、EPベンダーの側面を利用すると良いです。次に、側面部を使った方法を紹介します。
EPベンダーの側面を使ってカタパルトを加工してみました。
長尺の筒状のエッチングパーツは、端の辺から順番に曲げていきます。最後の辺は途中までしか曲げれませんが、ここまで曲げ癖を付けれればあとは手で調整できます。
角がしっかりと通っており、きれいに折り曲げることができました。
私がエッチング加工のメインで使っているピンセットベンダーは使いやすい工具なのですが、先端の長さが短いため長尺のエッチングパーツとなると、歪みを発生させずにきれいに曲げるのは難しいです。
次は、フジミの純正エッチングの電探を加工してみます。フジミの純正エッチングの電探は、加工が難しいパーツの1つです。
極小の三角部分も強力な保持力でしっかり固定し曲げることができました。
フジミの純正エッチングパーツの電探の加工には高い折り曲げ精度を必要としますが、EPベンダーで強力に固定することによって狙いの位置できれいに曲げることができます。
最後に、とある戦艦の主砲の砲塔と砲塔の間に付くラッタルのエッチングパーツです。本来、この部分で曲げる構造にはなっていないのですが、取り付けのスペースの関係で幅を縮める必要があったのですが、EPベンダーの強力な保持力で曲げることができました。
EPベンダーの使用レビューは以上になります。
私的には、状況に合わせてピンセットベンダーと使い分けながら使用するのがおすすめです。